Keyaki Labs — 2026年9月

Claude Codeを使うなら知っておきたい
「API」「MCP」の話

なぜClaude Codeは、自分のパソコンの外にあるものまで触れるのか。
コードは1行も書きません。

Claude Code API MCP
Goal

読み終わったときにできること

  • APIが何かを自分の言葉で言える
  • 同じ中身が「人間向け」と「プログラム向け」の2つの出方をすることを、自分のブラウザで確認できる
  • MCPが何のためにあるかが言える
  • 自分のGoogleドライブを、コマンドを1行も打たずにClaude Codeにつなげる
  • つないだあとに確認すべきことが分かる
動作確認: Claude Code 2.1.252。バージョンによって画面や出力の細部は変わります。
結論を先に

2つの言葉を、1行ずつ

API

プログラム同士の窓口

MCP

AIに道具を渡すための共通の規格

ポイント: この2つは並んだ別々の技術ではありません。MCPで繋いだ先の多くは、そのサービスのAPIを呼んでいます。
Section 01 — API

人間向けの画面ではなく
プログラム向けの入口

人間向けの画面

  • 文字の大きさ・ボタンの位置・色
  • ぜんぶ人間が読みやすいための飾り
  • プログラムには、その飾りが全部じゃま

プログラム向けの入口 = API

  • 決まった住所(URL)に、決まった形で送る
  • サービス側が処理する
  • 決まった形で、データだけが返る
  • 受け取った側が、画面に出す・計算に使う
中身は同じで、出方が2つある。
読みながら試せます

同じ中身が、2つの出方をする

人間向けの画面

github.com/keyakilabs/ai-usage-board

説明文が書いてあって、右側に TypeScript の表示がある。

プログラム向けの入口

api.github.com/repos/keyakilabs/ai-usage-board
"description": "複数のAIコーディング…", "language": "TypeScript",
よく見てください: さっきの画面に出ていた説明文が、こちらでは "description": の右側にそのまま入っています。読みにくいのは、人間が読むために作られていないからです。
認証

鍵の渡し方は、2種類ある

① APIキーを自分で貼る

  • sk- のような長い文字列を管理画面で発行する
  • 自分でコピーして設定ファイルに貼る
  • パスワードと同じ扱い。人に見せない
  • 「見せたくないファイル」の中身の代表格

② ログイン画面で許可を出す

  • 鍵の文字列を自分で触らない
  • 「このアプリに読ませていいですか?」に「はい」
  • 裏側で鍵のやり取りが済む
  • このあとつなぐGoogleドライブはこちら
方式は違っても、渡しているのは「自分のアカウントを触る権利」。だから、何を許可したかは後で必ず確認する。
Section 02

なぜ「もう1つの規格」が要ったのか

APIは、サービスごとに形がバラバラ。
AIに使わせようとすると、サービスの数だけ繋ぎ込みを作ることになる。

MCP — Model Context Protocol

AIにとってのUSB-Cポート

Think of MCP like a USB-C port for AI applications.

(MCPは、AIアプリケーションにとってのUSB-Cポートのようなものだと考えてください)

作ったのは
Anthropic(Claudeの会社)
公開は
2024年11月・オープンソース
対応は
ChatGPT / VS Code / Cursor など。Claude専用ではない
誤解しやすいところ

MCPは、APIの置き換えではありません

このあとつなぐGoogleドライブのMCPサーバーは、Google自身がこのアドレスで動かしています。

drivemcp.googleapis.com/mcp/v1

googleapis.com ── つまり、その裏ではGoogleのドライブ用のAPIが動いている

変わったのは: AIへの渡し方が1つに揃ったこと。それだけです。
MCPサーバーが渡してくるもの

公式に決まっている3つ

🔧

道具 tools

  • AIが実際に呼び出せる操作
  • 「ファイルを探す」「中身を読む」
  • いちばん効くのはこれ
📄

資料 resources

  • AIが参照するためのデータ
  • ファイルのようなもの
📝

定型文 prompts

  • 決まった手順のひな形
  • 使い回せるテンプレート
Googleドライブのサーバーが渡してきたのは道具だけでした(資料も定型文も返ってきません)。
実際につないでみる

Googleドライブを、コマンドなしで

手順は4つ

  • ブラウザで claude.ai/customize/connectors を開く
  • 一覧から Google ドライブ を探して コネクト
  • 何を許可するかを確認してから「許可」
  • Claude Code に戻る

増えたことを確かめる

$ claude mcp list claude.ai Google Drive: https://drivemcp.googleapis.com/mcp/v1 ✔ Connected

Claude Code の中なら /mcp でも見られます。

⚠️ 最初は フォルダ名で絞って頼むのがおすすめ。「最近のファイルを見せて」だと、思っていたより多くの情報が画面に出ます。
隠さず書きます

再現できる条件が、2つあります

1. claude.ai のアカウントでログイン

APIキー(ANTHROPIC_API_KEY など)や Amazon Bedrock 経由で使っている場合、claude.ai でつないだものは一覧に出てきません。

2. Team / Enterprise は管理者が先に有効化

組織のオーナーが先に有効にする必要があります。会社のアカウントで出てこない場合は、これを疑ってください。

おまけ — 読み飛ばしても困りません

覚えておくコマンドは、4つだけ

$ claude mcp list いまつながっているものを一覧で出す $ claude mcp get サーバー名 1つ選んで、設定の場所と接続を見る $ claude mcp add サーバー名 ... MCPサーバーを足す $ claude mcp remove サーバー名 外す

Claude Codeので打つのは /mcp。状態・道具・認証のやり直し・一時的なオン/オフがここからできます。

設定をどこに書くか(スコープ3つ)

  • local(既定) いま作業しているプロジェクトだけ。自分専用
  • project .mcp.json が作られる。Gitに入れればチーム全員が同じサーバーを使える
  • user 自分の全プロジェクトで使える。共有はされない

迷ったら既定の local。「全部の作業で使うな」と思ったら user に付け替える。

つないだあとに

3つだけ気をつけること

1. 誰が作ったか確かめる

外から取ってきた文章をAIに読ませるサーバーだと、その文章の中の指示にAIが引っぱられることがあります(プロンプトインジェクション)。ディレクトリのラベル(確認済み/コミュニティ製)を見る癖を。

2. 入れっぱなしにしない

つなぐほど、AIが触れる範囲が広がります。 使っていないものは /mcp の画面から、削除せずにオフにできます。

3. 何を許可したか見る

読むだけか、書き込みまでか。Googleドライブのサーバーにはファイルを作る側の道具も含まれています。「はい」を押す前に、そこだけは読む。

やっているのは「自分のアカウントを触る権利を渡す」こと。脅かしたいのではなく、私はこうしている、という話です。
まとめ

APIはプログラム向けの入口
MCPは、その入口をAIに渡すための共通の規格

コマンドの打ち方は、覚えなくて大丈夫です。
「MCP」という文字が出てきたら「外の何かとつながっている」
まずはそれだけ思い出せれば十分です。

いちばん持ち帰ってほしいこと: AIができることは、あとから足せます。

Keyaki Labs / 記事全文は note・keyaki-labs.com で公開しています