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タスク管理を、もう自分ではやらなくなった話

Notionからの乗り換えを経て、今はタスクの整理・優先順位づけをほとんどClaudeに任せています。「ローカルのMarkdownファイルであること」が、AIエージェントとの相性を大きく左右するという実感を書きました。

皆さんは、日々のタスク管理をどうやっていますか。

私は以前、「Obsidianが最強のツールだと思う理由」という記事を書きました。Notionからの乗り換え体験を書いた記事で、思っていたよりも多くの方に読んでいただけました。あれからしばらく経って、私のタスクとの向き合い方はさらに変わりました。今はもう、タスクの整理そのものを、ほとんど自分でやっていません。

Notion時代は、自分で全部更新していた

Obsidianに乗り換える前、私は仕事中ずっとNotionを開いていました。タスク管理もドキュメント管理も、全部そこでやっていたんです。Notionのデータベース機能は本当によくできていて、ビューを切り替えれば同じデータをカンバンにもカレンダーにもできる。あの便利さは今でも認めています。

ただ、今にして思うと、あの頃の私は「タスクを管理する」という作業そのものに、それなりの時間を使っていました。

今は、Claudeに「今日は何をやればいい?」と聞くだけ

Obsidianに乗り換えてからしばらくして、Claude Codeを日常的に使うようになると、この運用がガラッと変わりました。

今の私のタスク管理は、ほぼこれだけです。

  • タスクを書くファイルの置き場所と、書き方の簡単なルールだけ決めておく
  • 新しいタスクを思いついたら、Claudeに「これお願い」と伝える
  • 作業を始めるときは「今日のタスクまとめて」「次何をやればいい?」とClaudeに聞く

自分でファイルを開いてステータスを書き換える、という作業がほぼ発生しません。タスクの整理・優先順位づけ・進捗の反映まで、会話ベースでClaudeに任せています。Notion時代の私からすると、正直かなり怠けているように見えると思います。でも実際にやってみると、これがかなり快適です。

なぜこれが成り立つのか

理由はシンプルで、Obsidianのノートは全部ローカルのMarkdownファイルだからです。Claude CodeはターミナルからローカルのファイルをMac上で直接読み書きできるので、「タスクを書いたファイル」がそのままAIの作業対象になります。プラグインも特別なAPI連携も要りません。ファイルとして存在しているだけで、AIがそこに手を伸ばせる状態になっている。

この感覚は、実は目新しいものではありません。2019年にソフトウェア研究機関のInk & Switchが発表した「local-first software」という考え方があります。Martin Kleppmannらが書いたこの論考は、「自分のデータが自分の手元にファイルとして存在していること」自体に価値がある、という原則を提示していました。当時の文脈はオフライン利用やサービス終了リスクへの備えが中心でしたが、AIエージェントが当たり前になった今、この原則には新しい意味が加わったと感じています。「手元にファイルとしてある」ことは、人間にとってだけでなく、AIにとっても嬉しい状態なんです。

ローカルファイル操作は、AIツールの標準になりつつある

この流れは、私が使っているツールに限った話ではありません。今主要なAIコーディングツールは、軒並み「ローカルのファイルを直接触れること」を前提に設計されています。

Cursorは、開いているプロジェクトのファイルをタグ付けしてAIに直接渡したり、コードベース全体をローカルでインデックスして理解したりする仕組みを持っていますし、OpenAIのCodex CLIも公式ドキュメントで次のように説明しています。

Let Codex inspect files, make edits, and run the tools already installed on your machine.

「ローカルのリポジトリに対して作業する」ことが、これらのツールの前提になっているわけです。クラウドのAPI経由でデータをやり取りするのではなく、ファイルシステムに直接アクセスする。この設計が複数のツールで独立に採用されているのは偶然ではなく、AIエージェントがもっとも自然に、もっとも高い精度で動ける形が「ローカルファイル」だから、というのが私の理解です。

じゃあNotionでも同じことができるのでは?

ここまで読むと、「別にNotionでも今はAI連携できるでしょ」と思う方もいるかもしれません。実際その通りで、Notionは公式のMCP(Model Context Protocol)サーバーを用意していて、ドキュメントには次のように書かれています。

AI tools can read and write to your Notion pages just like you can

Claude CodeやCursorのようなAIツールが、OAuth接続を通じてNotionのページを人間と同じように読み書きできる、ということです。これはこれで正直すごい進化だと思いますし、Notion AIの発展・UIの表現力・データベース機能の強さは、今でも素直に良いと思っています。私の使い方だと、タスクボードのようなリッチな見せ方がもう重要でなくなっただけで、Notionそのものを否定しているわけではありません。

ただ、Notionが「AIにデータを読み書きさせる」ために用意しているのは、OAuth認証・専用サーバー・MCPというプロトコル変換の仕組みです。つまり、AIとデータの間に、ひとつ変換レイヤーを挟む必要がある。

一方でローカルのMarkdownファイルは、最初から「AIが直接読み書きできる状態」そのものです。わざわざ接続を用意しなくていい。この違いに気づいてから、「AIに何かを任せたい」と思ったときの最短ルートは、実はずっとシンプルな場所にあったんだ、と感じるようになりました。

AIがファイルを触れるほど、タスク管理の精度は上がる

ここが、この記事で一番言いたいことです。

正直に言うと、タスクの整理や優先順位づけといった作業は、自分でやるよりAIに任せた方が精度が上がると思っています。実際に感じているメリットは、大きく2つあります。

一つは、タスクが発生してから着手するまでのスピードです。以前は自分ですべて管理していたので、タスクを起票し、内容の詳細を書き込み、他のタスクとの優先順位をつける、という工程が毎回必要でした。今はこの一連の流れをAIに任せているので、こちらは要点をポンと伝えるだけで、起票から詳細の作成、進め方の計画立案まで済んでしまいます。着手までのスムーズさが以前とは全然違います。

もう一つは、並行してさばけるタスク量です。自分で管理していたときは、ある程度の情報を頭の中に留めておく必要がありました。「何も覚えなくていい、目で見ればわかる」状態をUI側で作ろうとしていたのですが、そういう緻密な管理にはどうしても時間がかかります。AIに任せてみると、並行するタスクの数がどれだけ増えても管理が破綻しません。「これだけのタスクがあり、優先度はこれ」という状況をAI側がしっかり把握してくれるので、驚くほど助かっています。

散らばった情報を漏れなく拾い上げる、過去のタスクとの関連を見つける、優先順位を客観的に並べ替える。こういう作業は、人間よりAIの方が得意です。だとすると、AIに任せられる範囲を広げることは、単に自分がラクになるという以上に、タスク管理そのものの質を底上げすることに直結します。

そしてAIに任せる範囲を広げようとすると、必ず「AIがそのデータにどれだけ迷いなくアクセスできるか」という壁に突き当たります。ここで、ファイルとしてローカルに存在していることの価値が効いてきます。AIエージェントに任せる作業が増えれば増えるほど、人間が直接アプリのUIを触る機会は減っていく一方で、「AIが迷いなくアクセスできる形でデータが存在しているか」の重要度は上がっていく。これは、タスク管理に限らず、ノート・ドキュメント・議事録など、あらゆる知的生産物に言えることだと思っています。

Marten という選択肢

この考え方を、個人のタスク管理だけでなくノートアプリとしても体現しようとして作っているのが、今開発している Marten です。GitHubをデータの置き場にする、マルチデバイス対応のMarkdownエディタで、ファイルの実体は全部自分のGitHubリポジトリに残ります。ノートも、この記事で書いたようなタスクの覚え書きも、同じ場所に置いておけば、Claude CodeでもCodex CLIでも、手を伸ばしたいときにいつでも直接触れる状態になります。

ObsidianとClaude Codeの組み合わせだけでも十分快適ですが、複数端末を跨ぐとローカルフォルダの同期に地味に気を使う場面が出てきます。そこをGitHub任せにできないか、という発想から作り始めました。ローカルファイルの強さに気づいてしまった人向けに、興味があれば覗いてみてください。今なら早期登録期間中で、簡単なアンケートに答えるだけでPremium機能が永年無料になります(特典期間は9月20日まで)。